インビザライン口蓋拡大システム(IPE) ~ お子さまの顎の成長を優しくサポート
1. 導入:なぜ口蓋の拡大が必要なのか
もしかして、こんなお悩みはありませんか?
- 歯並びがガタガタで、将来の矯正が心配
- 口呼吸が多い、いびきをかく
- サ行やラ行などの発音がしにくい
- 顔の真ん中の成長が足りない気がする
- 上顎の幅が狭いと指摘された
お子さまの上顎の幅(口蓋)が不足していると、永久歯が生えるスペースが足りなくなったり、呼吸や発音に影響が出たりする可能性があります。
インビザライン®口蓋拡大システム(IPE)とは?
従来の金属を使った拡大装置とは異なり、3Dプリンティング技術を駆使して一人ひとりにカスタム製作される、取り外し可能なマウスピース型の顎拡大システムです。段階的に装置を交換していくことで、痛みや不安を抑えながら、やさしく安全に上顎の拡大を促します。

2. IPEの5つの大きなメリット
| メリット | 詳細 |
|---|---|
| 1. 痛み・不安が少ない | 金属を一切使用せず、滑らかな素材で快適な装着感です。従来のねじ回し(キー)による調整が不要で、精神的な負担も軽減されます。 |
| 2. 衛生的で虫歯リスクを軽減 | 食事や歯磨きの際に自分で取り外せるため、装置と歯の両方をしっかりブラッシングでき、虫歯や歯肉炎のリスクを抑えられます。 |
| 3. 簡単な操作性(取り外し式) | お子さま自身で簡単に装着・取り外しが可能です。通院回数も比較的少なく済むため、ご家族の負担も軽減できます。 |
| 4. デジタルによる精密な治療 | iTero(口腔内スキャナー)で精密な3Dデータを取り、お子さまのお口にぴったりフィットするようオーダーメイドで製作されます。 |
| 5. 将来の矯正治療がスムーズに | 成長期に顎の土台を整えることで、将来の本格的な矯正治療で抜歯が必要になる可能性を減らし、治療期間や負担の軽減が期待できます。 |
3. IPEで得られる効果
上顎を拡大することで、歯並びの改善だけでなく、以下のような様々なメリットが期待できます。
- 永久歯のためのスペース確保:歯がきれいに並ぶ土台を作ります。
- 鼻呼吸のサポート:上顎が広がることで鼻腔も広がり、口呼吸の改善やアレルギー症状の緩和につながる可能性があります。
- 発音の改善:舌の動きがスムーズになり、サ行・ラ行などの発音が明瞭になることが期待されます。
- 噛み合わせの改善:上下の顎のバランスを整えます。
4. 従来の拡大装置との違い
| 比較項目 | インビザライン®口蓋拡大システム(IPE) | 従来の固定式拡大装置(ネジ回し式など) |
|---|---|---|
| 素材 | 3Dプリントされた滑らかなプラスチック(金属不使用) | 金属製のワイヤーやバンド |
| 着脱 | 取り外し可能(食事・歯磨き時など) | 固定式(治療完了まで外せない) |
| 拡大方法 | 段階的に新しい装置に交換(約0.25mm/ステージ) | 中央のネジを保護者の方が回して調整 |
| 衛生面 | 取り外して清掃可能、衛生的 | 食べ物が詰まりやすく、清掃が難しい |
| 快適性 | 小型で違和感が少なく、痛みが少ない | 装置が大きく、違和感や痛みが出やすい |
5. 治療の流れ(ご自宅での使い方)
- 装置の装着:最初は一番小さい「Stage 0」を装着します。
- 終日装着:食事・就寝中も含めて、基本的に1日22時間以上装着します。
- 装置の交換:通常、毎日1つずつ(または医師の指示に従い)次のステージの装置に交換します。ネジを回す必要はありません。
- 清掃:朝晩や食後に、歯磨きと同時に装置を流水や柔らかいブラシで洗浄し、清潔に保ちます。

6. 治療開始に最適な年齢について
IPEは、顎の骨がまだ柔軟な成長期のお子さまに特に効果的です。一般的には6歳頃から10代前半の患者さまに適応されますが、お子さまのお口の状態によって最適な開始時期は異なります。
無料相談にて、お子さまの上顎の状態を確認し、最適な治療計画をご提案いたします。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 治療に最適な年齢はありますか?
A. IPEは顎の骨がまだ成長段階にある成長期のお子さまに特に有効です。一般的には6歳から10代前半が目安とされていますが、骨格の柔軟性には個人差があります。無料カウンセリングにて、お子さまに最適な開始時期を診断いたします。
Q. 1日の装着時間はどれくらいですか?
A. 治療計画通りに顎を拡大するためには、食事と歯磨きの時間を除く1日22時間以上の装着をお願いしています。装着時間が短いと、計画通りに治療が進まず、期間が延びてしまう可能性があります。
Q. 装置をつけたまま食事はできますか?
A. 基本的には装着したままの食事が可能です。ただし、硬すぎるもの、粘着性の高いもの、極端に甘いものや酸っぱい飲み物は、装置や歯を傷める原因になるため、注意が必要です。食事の後は、装置を外してしっかり歯磨きとうがいを行ってください。
Q. 痛みはありますか?
A. 従来の金属装置のネジ回しのような強い痛みはほとんどありません。IPEは段階的(約0.25mmずつ)に交換していくため、装置交換後の1~2日間、歯や顎に軽い圧迫感や違和感を覚えることがありますが、通常はすぐに慣れていきます。
Q. 装置はどれくらいの頻度で交換しますか?
A. 基本的には毎日1つずつ、新しいステージの装置に交換していただきます。ただし、患者さまの顎の状態や治療計画に応じて、交換頻度は調整される場合がありますので、歯科医師の指示に従ってください。
Q. お手入れはどうすれば良いですか?
A. IPEは取り外しが可能ですので、歯磨きは普段通り行えます。装置自体も、柔らかい歯ブラシと流水で優しく洗ってください。熱湯での洗浄は変形の原因となりますので避けてください。
Q. 拡大治療が終わった後、歯は元に戻りませんか?
A. 拡大によって得られた顎の幅を安定させるために、拡大期間終了後には「インビザライン®口蓋ホルダー」という保定装置を一定期間使用する必要があります。保定は、治療効果を維持するために非常に重要です。


